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2009年09月11日

映画音楽制作始動しはじめました。

最近、足繁く調布の日活撮影所に通っている。音楽を担当する映画「人間失格」の打ち合わせのためだ。ラッシュを観て音楽のポイントを探る。ここ数日間楽曲の整理と曲毎の編成の確定。そしてそのスケジューリングに忙殺される。

まだ書き出してもいない旋律に対して楽器編成を決定しなくてはならない。そしてなんとまだ書いていない曲のしかも楽器編成ですら100%決まっていない曲群に対して録音順番を決めなければならない。これは最大の楽器編成は決まっているが曲毎にその編成が微妙に違うというスタイルで録ろうとしているからだ。(個人的にこういった曲毎に微妙な変化を見せるアンサンブルが好きなのだ。例えばラベルの「マ・メール・ロワ」、例えばシェーンベルクの「月に憑かれたピエロ」等々...。)これは当然限られた予算のより合理的な運用とそこから導き出される最大限の効果を狙ってのことだ。

(素晴らしい)ミュージシャン達ををザックリと1日丸々拘束して気の向くままに録って気が済むまでやり直すようなスタイルは僕には出来ない。最大の効果を出すのであれば最短の時間で作業するのが最も効果的だ。そこには集中力が記録されることになるから。ただしそのためには周到な準備が必要だ。準備をすることで個人的な視点が生まれる。その個人的な視点すなわち基準と言うことなんだけど、それさえ事前にキープ或いは構築といってもよいのだけど、それができれば何か突飛なアイデアが現場で生まれたときにそれがよいアイデアなのかそうでないかがすぐに判断できる。すなわち逆説的には完全な準備があれば冒険も出来るということだ。準備のない現場では偶発的に生まれたアイデアがよいアイデアなのかそうでないのかの判断が先送りされて結局時間が過ぎてゆく。するとテンションがキープできなくなってしまう。或いはその現場で生まれたアイデアが本当はとてもよいアイデアなのにそのアイデアが良いのか悪いのか判断する事に時間が掛かるのを恐れるあまり安易に捨ててしまう。

...ただ困ったことにそうやって逡巡して生み出された作品も大好きだったりする。この矛盾。というかこれは善し悪しの話しではなくて単に資質や性格の違いのような気がする。

..ええっとなんの話しだったっけ。

そうそう、映画音楽の作曲の話し。今回バンドネオン北村聡さん、ギター鈴木大介さん、コントラバスを演奏してくださるのがミュートビートの松永孝義さん。ドラム/パーカッション芳垣安洋さん、弦楽器のコンサートマスターに徳永友美さん、サックスが塩谷さん、コーラスがCANTUS...もう最高の布陣でしょ?...というか「エテパルマ」「パッサカイユ」の音を作り出した方々なのだ。そして劇中歌を歌ってくださるのがなななんと・・さん、まだ書けない(涙)。武満徹さんもどこかで書いていたように、こんな風に演奏者の方々の顔を思い出しながら楽譜を書くことが出来るのはこれ以上ない幸せなのです。

そうだ幸せついでにキチンと書いておきたいのだけど、今回のこの作品への参加要請という身に余る出来事は今作の荒戸源次郎監督がアルバム「エテパルマ」「パッサカイユ」を(本当に嬉しいことに)愛聴して下さっていたことから始まっているのだけど、そのきっかけであるこの二枚のアルバム作品でディレクターを務めていて同時にこのアルバム制作の立案及び総指揮を執ったのはイーストワークスエンターテインメントの高見一樹氏であった、ということは(ここ太字にしても良いと思うのだけど)書き残したい。...と思っていたので書きました。

Image193.jpg久しぶりに書いたらなんだか堅苦しいようなぶっちゃけたような変な文体になってしまいました。次の更新はいつかな...。映画が完成した時だったりして...。それはまだ先の話...。

書き進められるスケッチをパチリ。













posted by nn :